秋の味覚
計量カップやスプーンはお菓子作りをする人が使うものだとずっと思っていたので、普段料理をする時に使っていると友人から聞いた時には、とても驚いたものでした。料理の味付けは、味見をしながら適当に足していくもので、時には取り返しがつかなくなることもあるものだと、長いこと思っていたので・・・。
2年程前、なぜか突然、らっきょうの甘酢漬けを作ろうと思い立ったことがありました。
らっきょうを買って苦労して皮をむいたものの、甘酢の作り方がわかず、インターネットで調べても、それぞれ分量が違うので、どれがいいのかわからない。そういえば昔、母が作っていたなぁと思い出し、電話で聞いてみました。
返ってきた答えは、「鍋に水とお酢を入れて煮立たせたら、砂糖を入れて。甘さはお好みでね」…そんなアバウトな…と思いましたが、あれこれ調べるのが面倒になり、結局鍋に水とお酢を適当に入れて煮立たせて、味見をしながら適当に砂糖を入れて、何とか甘酢もどきができたのでした。
そんな母のもとを離れて一人暮らしをして、かなりの年月が経ちました。
初めのうちは、料理をするのが結構楽しくて、初めての料理にチャレンジしたり、時間をかけて材料を煮込んだりしていましたが、そのうち料理にかける時間があまり取れなくなり、切って炒めるだけ、ゆでるだけといった簡単な物ばかりになってしまいました。
そんな状態が何年か続き、少し時間の余裕が取れるようになったある日のこと。
「今日は、何かちゃんとした物を作ろう」と思ってスーパーに行ったのですが、材料を見ても、今自分が何を作って食べたいのかわからずに、途方に暮れている自分に驚きました。結局、スーパーの中をうろうろしたあげく、何か材料を買って帰り、できあがったのは、ぼやけた味のお世辞にもおいしいとは言えない物でした。メニューを決める勘も、味付けの勘も、しばらくやっていないと鈍るのだと、その時知りました。
そして、料理の勘はあまり戻ることなく(今となっては、そんな勘を持っていたのかも怪しいのですが・・・)今に至ります。それでもたまに、いつもより時間をかけて料理を作ったりすると、お腹だけでなく心が満足するようです。
そろそろ涼しくなり、秋の味覚も出回ってきました。秋刀魚を焼いて、大根おろしをちゃんと付けて、野菜は何にしよう、そうするとビールより日本酒のほうが合いそうだ…。いつもより時間をかけて、少しゆっくり秋の味覚を味わいたいと思っています。
趣味:読書(純文学から漫画まで、かなりの乱読派)、旅行(暑い所が好き)、格闘技、プロレス観戦
座右の銘:一期一会